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欧州委、2027年作業計画で「グリーンクレーム指令案」の撤回を明記

一言

EUの環境訴求ルールは、新しい立証義務の導入をやめ、既存の消費者保護法で規律する方向に固まりました。

要約

欧州委員会は11月4日に公表した2027年作業計画で、2023年に提案したグリーンクレーム指令案を撤回対象に挙げました。2024年に成立した「グリーン移行のための消費者エンパワーメント指令」(指令2024/825)は残るため、根拠のない環境訴求は引き続き規制の対象です。

ポイント

  1. 撤回対象は作業計画の附属書IIIに載っている(COM(2023)166、環境主張の立証と伝達に関する指令案)。
  2. 撤回の理由は3つ。審議が3年以上続いたこと、理事会が交渉の権限付与で合意できなかったこと、合理的な期間内に支持を得る見込みが低いこと。
  3. 実質的には2025年6月から止まっていた。今回の作業計画で正式に撤回が示された。
  4. 指令2024/825は2026年9月から適用されている。根拠のない一般的な環境主張(「エコ」など)や、オフセットだけを根拠にした「カーボンニュートラル」表示は禁止される。
  5. 同じ作業計画には、自然保護指令(鳥類・生息地・Natura 2000)の見直しも2027年第3四半期の項目として入っている。
  6. 日本企業への影響:EU市場で製品の環境表示をする場合、第三者検証の事前義務はなくなる。ただし加盟国の当局による執行リスクは残る。

LABメン視点

第三者保証がなくなったことが今回の撤回でのポイントとなりますが、「エコ」「環境にやさしい」「グリーン」のような漠然とした表示は、際立った環境性能を示せない限り使えません。また、オフセットだけを根拠に、製品を「カーボンニュートラル」「環境負荷ゼロ」と表示することはできないということも従前のルールで定められています。
本質的には、しっかりとしたルールで運用されるべきですが、まだ、ルールの厳格さとそのメリットのバランスをとる段階にあることは間違いなさそうです。

European Commission「2027 Commission work programme and annexes」 https://commission.europa.eu/publications/2027-commission-work-programme-and-annexes_en
European Commission「COM(2026) 710 final Annex」 https://commission.europa.eu/document/download/9ad0afe2-f9a8-46e9-bd3b-74c2de496c48_en?filename=COM_2026_710_1_annexe_EN.pdf
ESG Today「EU Commission Scraps Green Claims Directive」 https://www.esgtoday.com/eu-commission-scraps-green-claims-directive/

運営担当者

LABメンバー001サステナ関連の人(とある会社の従業員)

1988年生まれ。北関東在住、2児の父。
環境ビジネスのコンサルタントをやっていたが、脱炭素の流れがどうも性に合わず、離職。国策系メディアを扱う会社に転職後、某企業のサステナ担当、兼、事業部の兼任をするに至る。
なぜ、脱炭素嫌いが、サステナビリティの担当に?それは、ある意味偶然でした。ただ、最近はサステナビリティ界隈の動きをもながら、より現実味を持った推進力のある形を模索することの重要性を感じている。
このサステナビリティLABは、私の情報ナレッジと、共に戦うサステナビリティ担当・関連業務の方々のコミュニティとなればよいなと思います。