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「脱炭素」と「脱化石燃料」は別の経路 京大・北大などが化石燃料の完全廃止シナリオを分析

一言

「ネットゼロ」と「化石燃料ゼロ」は同じゴールではなく、どちらを前提にするかで必要な電力量や投資の規模が大きく変わることを示した研究です。

要約

京都大学・北海道大学と国際応用システム分析研究所(IIASA)の研究グループが、化石燃料の一次供給をゼロにする「脱化石燃料化」の経路をモデルで分析しました。CCSやCDRで残余排出を相殺する従来の脱炭素シナリオと比べ、電化や水素などへの転換が大幅に必要になる一方、CDRへの依存を減らせることを示しています。

ポイント

  1. 2つの統合評価モデルを使い、目標年を2050〜2100年で変えながら、従来の脱炭素化シナリオと比較した(Nature Communications、2026年5月)
  2. IPCC第6次評価報告書の多くのシナリオは、CCS・CDRで残余排出を相殺し、化石燃料の利用を一部残すことを前提にしている
  3. 2050年に脱化石燃料化を達成する場合、発電電力量は従来の脱炭素シナリオの約1.6〜1.8倍が必要になる
  4. 直接電化が難しい産業・運輸部門では、水素・アンモニア・合成燃料による間接電化と、電解装置の大規模導入が鍵になる
  5. 完全廃止は1.5℃目標の達成に必須ではないが固有の利点があり、目指すかどうかは投資・技術・社会受容性を含めて総合的に判断すべきだと結論づけている

LABメン視点

化石燃料ゼロ化を目指すシナリオを日本が発信するということは非常に有意義なことであるといえますね。投資が大きくなることを示していますが、結局のところ化石燃料ゼロの方が脱炭素よりも難易度が高いということですね。

出典:北海道大学 プレスリリース「1.5℃目標達成に向けた化石燃料の完全廃止の課題と機会」

運営担当者

LABメンバー001サステナ関連の人(とある会社の従業員)

1988年生まれ。北関東在住、2児の父。
環境ビジネスのコンサルタントをやっていたが、脱炭素の流れがどうも性に合わず、離職。国策系メディアを扱う会社に転職後、某企業のサステナ担当、兼、事業部の兼任をするに至る。
なぜ、脱炭素嫌いが、サステナビリティの担当に?それは、ある意味偶然でした。ただ、最近はサステナビリティ界隈の動きをもながら、より現実味を持った推進力のある形を模索することの重要性を感じている。
このサステナビリティLABは、私の情報ナレッジと、共に戦うサステナビリティ担当・関連業務の方々のコミュニティとなればよいなと思います。